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ノバク・ジョコビッチの入国問題とは?コロナに感染してた&ワクチン接種は免除?

男子テニスの絶対王者であるノバク・ジョコビッチ選手。

そんなジョコビッチ選手にアクシデントが…。

ジョコビッチ選手は4連覇がかかる全豪オープン制覇に意欲を見せていましたが、新型コロナウイルスのワクチン接種問題で出場は叶わず。

一体、どういった経緯があって絶対王者が全豪オープン開幕前日にオーストラリアを去ることになったのでしょうか?

今回は、ノバク・ジョコビッチの新型コロナウイルス問題などについて深掘りしていきたいと思います。

 

 

 

・プロフィール

 

引用元 https://instagrammernews.com/

 

名前 ノバク・ジョコビッチ (Novak Djokovic)

生年月日 1987年5月22日

現年齢 34歳

出身地 セルビア・ベオグラード

身長/体重 188cm/77kg

血液型 O型

利き手 右利き

世界ランキング 1位

 

 

 

4歳の頃よりテニスを始め、12歳でドイツ留学し「ピリッチテニスアカデミー」で技術を磨いた。

2001年には14歳以下のヨーロッパチャンピオンシップに出場し、シングルスとダブルスのタイトルを獲得。

ジュニアの国別対抗戦・ジュニアデビスカップにも出場した。

2003年に16歳でプロ入りを果たす。

2021年にはグランドスラム通算20勝目を飾り、ロジャー・フェデラーラファエル・ナダルと並んで歴代1位タイに並んだ。

 

 

 

・入国問題とは…?

 

1月17日に開幕した全豪オープンテニス。

連日熱戦が繰り広げられた今大会ですが、ある出来事によって開幕までの期間の方に注目が集まった大会になってしまいました。

その出来事とは、全豪オープンの4連覇、グランドスラム史上最多となる21個目のタイトル獲得という大記録が掛かっていたノバク・ジョコビッチ選手のオーストラリア入国問題。

 

ジョコビッチ選手はオーストラリア到着後、新型コロナウイルスのワクチン未接種(接種の有無を明確にはしていない)を巡って、入国が許可されるのかどうかで二転三転し、大会開幕の前日に国外退去となりました。

なぜ、ジョコビッチ選手の入国問題がここまで大事になったのでしょうか?

これまでの経緯を見ていきましょう。

 

1月4日

オーストラリアテニス協会(ビクトリア州政府)がジョコビッチ選手に対しワクチン接種の免除を許可したことを受け、ジョコビッチ選手は保留していた全豪オープンの出場を明言。

 

1月5日

メルボルン空港に到着したがオーストラリア入国を拒否される。オーストラリア政府は「ワクチン接種を免除するための証明に不備があった」と発表。ビザが取り消される。

 

1月6日

ジョコビッチ選手側が地元裁判所に異議申し立て

 

1月10日

「空港でのジョコビッチ選手への対応など、ビザを取り消した政府の対応は非合理的だった」として、裁判所が入国を認める。隔離施設から解放されたジョコビッチ選手は練習を再開。

 

1月12日

年末にスペインへ渡りながら、「過去14日間に第三国に滞在していない」と入国書類に事実と異なる記載をしたことが判明。マスク無しでのイベントへの出席や去年12月に感染が確認された直後にスポーツ紙の取材を受けた事が報道される。

 

1月14日

ホーク移民相が再度のビザ取り消しを決定。ジョコビッチ選手側が裁判所に決定取り消しを申し立てる。

 

1月16日

裁判所は政府の決定を支持。ジョコビッチ選手は国外退去に。

 

簡単にこれまでの経緯をまとめますと、ジョコビッチ選手は、昨年12月に新型コロナウイルスに罹患したため、免疫獲得を理由にワクチン接種の免除を認めるビザでオーストラリアに入国。

しかし、オーストラリア政府は接種免除に必要な書類に不備があったとし入国ビザを取り消し、ジョコビッチ選手は市内のホテルに収容されました。

ジョコビッチ選手側はこれを不服として裁判所に異議を申し立て。

コロナから回復したことを理由に接種免除が認められたとするジョコビッチ選手側の反論が認められ、裁判所は1月10日にワクチン接種免除の特例を認め、ビザ取り消しは無効だと判断され入国を許可されました。

 

これで一件落着と思われましたが、「過去14日間に第三国に滞在していない」という渡航前の申告が虚偽(昨年末にセルビアからスペインへ移動していた)だったことや、昨年12月に感染が確認された直後にスポーツ紙の取材を受けていたことなどが報じられ、オーストラリア政府はジョコビッチ選手の再びビザ取り消しを発表。

ジョコビッチ選手は申請書類の不備について「私のエージェントが間違ったボックスにチェックを付けた誤りについてお詫びする」とし「これは人為的なミスであり、意図的なものではない」とSNSで説明し、裁判所に異議を申し立てたものの訴えを退けられたため、1月16日に国外退去となりました。

さらに虚偽申告を行ったことで今後3年間、オーストラリア入国禁止の可能性が…。

 

「オーストラリアでは虚偽申告の最大刑は懲役5年、ATP(男子プロテニス協会)は3年間の失格になる」と報道。ジョコビッチが有罪となれば刑務所に収監された上、ツアー参加資格の3年間停止という厳罰を科されるケースもあるわけだ。

出典 東スポ

 

ジョコビッチ選手にとって全豪オープンはグランドスラム最多の9度の優勝を誇り、今年まで3連覇と抜群の相性の大会ということもあり、3年間も出場が出来なくなるのはあまりにも痛いのではないでしょうか?

 

この問題には、主催者の同国テニス協会と地元のビクトリア州政府、オーストラリア政府の間にワクチン接種の免除について認識のズレや連携不足があり、往年の名選手であるジョン・マッケンローさんが「『ワクチンを打たない限り、現地には行けない』とオーストラリア当局が言っていれば、それでおしまいだった」と指摘している通り、当初からその方針を明確にしていれば、ここまで大きな問題にはなっていなかったのかもしれません。

ただ、ジョコビッチ選手も大人しく引き下がるつもりはないようです、

セルビアに帰国後、ジョコビッチ選手がオーストラリア政府に対して損害賠償訴訟を起こす準備をしていることが報じられました。

 

オーストラリア政府に「不当な扱いを受けた」として、320万ポンド(約4億9900万円)の損害賠償を求めて提訴する準備を弁護士と進めていると19日付の英大衆紙サン(電子版)などが報じた。賠償金には全豪オープンで優勝した場合の賞金287万豪ドル(約2億3800万円)や、ジョコビッチ側の負担となった裁判費用も含まれているとみられる。同紙は代理人に近い情報筋の「メルボルンの隔離ホテルでひどい扱いを受けた。母親は“事実上の囚人として扱われた”と明かした」という話を紹介した。

出典 スポニチ

 

損害賠償金をさらに増額するという報道もあり、この問題が真の解決を迎えるには時間がまだまだ掛かりそうです。

 

 

 

・コロナに感染してた…?

 

ジョコビッチ選手の入国問題の話題でもお伝えしたように、ジョコビッチ選手は過去に2回(2020年6月と2021年12月16日)、新型コロナウイルスに感染したことがあります。

2020年6月には、新型コロナウイルス感染症流行の影響でツアーが中断される中、自身が主催したチャリティー大会で新型コロナウイルスに感染。

試合後のパーティーで大騒ぎしていたことが報じられると批判が殺到しました。

 

「彼は傲慢にも通例となった衛生学的なコロナ対策措置を全て無視した。観客はスタンドで隣同士で座り、マスクもせず。選手はハグし、ポーズもとった。マスクなしでだ。子どもたちと記念撮影や観衆にサインもした。数百の人々とともにナイトクラブでパーティにも出かけた。大声で歌い、ダンスもした。シャツも脱いで、だ」

出典 the answer

 

ジョコビッチ選手はマスクを着用することが嫌いなのか、オーストラリアから国外退去になり、セルビアに帰国した後にもマスクをつけずに公の場にいるところを目撃されており、深夜のレストランでノーマスクでパーティーに参加する様子が報じられました。

 

引用元 https://instagrammernews.com/

 

セルビア国民は国を代表するヒーローとしてジョコビッチ選手の姿勢を肯定的に捉える人も多いようですが、他国ではそうではありません。

実は、オーストラリア政府がジョコビッチ選手に強硬な手段を下したのには国民の感情が大きく関係しているようなんです。

 

同11日に米CNNなどが、ジョコビッチが裁判所に提出した書類で陽性が確認されたと主張する昨年12月16日の翌日に、セルビアのベオグラードで開催された若手テニス選手のイベントにマスクを着用せずに出席していたと伝えた。 ジョコビッチは表彰式で選手にトロフィーや賞状を直接手渡していたといい、テニス協会のSNSには選手や関係者ら一緒に撮影した記念写真も投稿されている。また、陽性判定が出た当日にもセルビアの郵便サービスが主催した記念切手の発売イベントにも出席していたことがジョコビッチのインスタグラムの投稿で確認されており、分かっているだけでも、感染後数日間にわたって複数回公の場にマスクなしで登場している。

出典 日刊スポーツ

 

ノーマスクで新型コロナウイルスに感染しようが意に介していないと捉えられても仕方がないのかもしれませんし、このジョコビッチ選手の姿勢がオーストラリア国民を激怒させてしまったようです。

 

昨年12月下旬から、オーストラリア国内の新型コロナ感染者数はオミクロン株の蔓延と共に急激に増加。

感染拡大を防ぐため多くの国民が自主隔離などで生活に影響を受け、医療体制もひっ迫する事態になっています。

そのなかでジョコビッチ選手の虚偽申告などが発覚し非難が殺到。

地元メディアが行った世論調査では、国民の7割以上がジョコビッチ選手の大会出場に反対していたそうです。

 

オーストラリアは数か月後に総選挙を控えており、政府は国民の声を無視することが出来ず、ジョコビッチ選手に対して国として強い姿勢を見せた・・・という面があるようです。

これが正解だったのかは今は分かりませんが、オーストラリアとジョコビッチ選手の間のわだかまりがいつか解けることを願うばかりです。

 

 

 

・ワクチン接種は免除…?

 

ここまでお伝えしたようにジョコビッチ選手は、当初オーストラリアテニス協会(ビクトリア州政府)によって「ジョコビッチ選手が昨年12月に新型コロナに感染したことから、(免疫を獲得したとし)接種の免除が認められた」とされてきましたが、オーストラリア政府が「感染歴だけを理由にした接種の免除は認められない」という判断を下したことから入国できませんでした。

一時は裁判所によってジョコビッチ選手の入国は認められましたが、申請書類の不備が見つかり再びビザの取り消しが決まりました。

政府の決定を裁判所も支持し、ジョコビッチ選手の国外退去が決まったのですが、ジョコビッチ選手帰国後に裁判所は政府の決定を支持した理由を明かしています。

 

オーストラリアの裁判所は20日、男子テニスで世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)のビザ(査証)を再度取り消した豪政府の決定を支持した理由を開示した。新型コロナウイルスのワクチンを接種しないジョコビッチ選手の入国を認めれば、接種を拒む人が出る可能性があると判断したという。

出典 読売オンライン

 

ジョコビッチ選手を特別扱いしなかったのは、オーストラリア国民の感情を考えた上での政府の決定だったのですが、万が一、ジョコビッチ選手に対し接種の免除をしてしまった場合、それを理由にワクチン接種を拒む人が続出し、新型コロナを制御できなくなる恐れがあると裁判所も判断したようです。

 

ただ、ワクチン未接種で入国が難しいのはオーストラリアに限らず、接種を前提とする国々で開催させる大会に出場できない見通しとなっています。

ジョコビッチ選手がワクチンを接種すれば何も問題はないのですが、「僕はワクチンの接種自体を否定しているのではない。ただ、誰かが僕の体内に無理やり何かを入れるのは嫌だ。受け入れられない」と発言しています。

 

引用元 https://instagrammernews.com/

 

この考えには、ジョコビッチ選手が過去にグルテンアレルギー(セリアック病)で苦しんだ過去があるからかもしれません。

ワクチンを接種することで体に変化が起こることを怖れているのかもしれません。

そして、ただ怖れるだけではなく新型コロナと戦おうともしているようなんです。

先日、ジョコビッチ選手が新型コロナの治療法の開発の企業に出資していることが明らかになりました。

 

ジョコビッチが新型コロナの治療法の開発を目指すデンマークのバイオテック企業、QuantBioRes社の筆頭株主であることが発覚した。同社の最高経営責任者(CEO)を務めるIvan Loncarevics氏がロイター通信に認めたことで明らかになった。Loncarevic氏によれば、ジョコビッチと妻のエレナさんはそれぞれ同社の株式の40.8%と39.2%を2020年6月に取得したとのことだ。

QuantBioRes社では12人ほどの研究者がデンマーク、オーストラリア、スロベニアで開発を進めており、今夏にイギリスで臨床試験を開始する予定となっている。同社の製品はワクチンではなく、ウイルスがヒトの細胞に接触した直後に感染を阻止することができる治療法だという。2020年半ばに同社が発表した論文には、「突然変異の問題を克服できる画期的で斬新なアプローチを生み出す我々の方法は、すべての変異ウイルスに対する普遍的な治療法を生み出す可能性を秘めている」と記載されている。

出典 WOWOWテニスワールド編集部

 

ワクチンに代わる画期的な治療法を目指しているそうで、これが確立できれば人類は新型コロナを克服したと考えていいのかもしれません。

そんなジョコビッチ選手の次戦は、2月21日開幕のドバイ選手権になる見込み。

ドバイ入国には、「新型コロナのワクチン証明書などが必須ではなく、フライトの72時間前から6時間前までの陰性結果の証明と、入国後の検査が求められる」そうで、ワクチン未接種でも入国は可能とされています。

ただ、4大大会開催国ではワクチン未接種では入国が難しく、出場可否は不透明なまま。

絶対王者であるジョコビッチ選手が実力以外で世界ランキング1位から陥落してしまうのはあまりに残念ですし、一刻も早くコロナ禍が収まってくれることを祈りたいですね。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

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