2021年プロ野球ドラフト会議でドラフト1位で巨人に指名された関西国際大学の翁田大勢投手。
西日本工業大学の隅田知一郎投手を外したことによる1位でしたが、原辰徳監督は「ややスリークオーター気味の、非常にパワフルな、守備に力がある。先発・完投というスタミナも十分にある。即戦力として十分期待できる投手」と翁田投手に高い評価を与えています。
巨人は翁田投手を即戦力として期待しているそうですが、シーズン終盤に優勝争いから脱落すると大失速してしまい、来季の即戦力とは言わず、すぐにでも翁田投手を起用したいところでしょう。
・・・ということで、今回は翁田大勢投手について調べてみました。
・プロフィール
引用元 https://twitter.com/ka11830/status/1447501055730716677
名前 翁田 大勢 (おうた たいせい)
生年月日 1999年6月29日
現年齢 22歳
出身地 兵庫県多可町
身長/体重 181cm/88kg
投打 右投右打
ポジション 投手
所属 八千代北少年野球クラブ(八千代市立八千代北小学校) → 氷上ボーイズ(八千代中学校)→ 西脇工業高校 → 関西国際大
八千代北小学校1年から軟式野球を始め、八千代中時代は氷上ボーイズに所属し遊撃手としてプレー。
中学卒業後は姉と兄が通っていた西脇工業高校に進学。
西脇工業では1年生春からベンチ入りし、夏の選手権予選では4番を任される。
2年秋からエースに。
3年生春季大会の報徳戦では6球団のスカウトが視察する中、145km/hを記録。
甲子園出場経験はなし。
その年のドラフトでプロ志望届を提出も指名漏れした。
関西国際大では2年春からリーグ戦に出場。
3年春は新型コロナウイルスの流行によりリーグ戦の中止。
右肘痛で登板機会なし。
4年春も右肘疲労骨折の影響で登板はわずか1試合のみ。
秋季リーグの天理大戦では自己最速を更新する153km/hを記録。
さらに大阪産業大戦では、初回に自己最速を更新する157km/hを記録した。
遠投110m、50m6秒3。
兄・勝基さんは西脇工業が甲子園初出場を果たした2013年夏のエース。
高校卒業後は愛知大学に進学。
姉・あかりさんは陸上3000メートルの岡山県記録を持ち天満屋に所属していた。
・高校や大学の通算成績は…?
高校時代の成績
西脇工業では1年生春からベンチ入り。
兵庫県大会の全2試合で4番・ファーストとしてスタメン出場し、6打数3安打の活躍。
2年生夏の予選には4番レフトとして臨み、打率.357、2打点の活躍で4回戦まで進出した。
2年生秋の新チームから背番号1を任されたが、登板機会が無く2回戦で敗退。
3年春の1回戦・東洋大姫路戦で、8回コールド4安打完封の好投。
プロ6球団スカウトが視察した2回戦の報徳戦では最速145km/hを計測するも現広島の小園海斗選手から2安打されるなど7失点を喫した。
3年生夏の県大会は育英高校に0-2で敗れ5回戦で敗退。
スリークォーター気味のフォームから140km/h台とスライダーのコンビネーションで勝負する姿勢は兄・勝基さんとそっくりと評された。
2回戦:東洋姫路 先 7 5 1 6 1 147㌔
4回戦:氷上高校 2 2 1
5回戦:育英高校 先 7 3 0 1
16 10 3 防1.69
大学時代の成績
関西国際大では2年生の春からリーグ戦に出場。
2年秋のリーグ戦では先発2番手として、2勝1敗、防御率2.41を記録。
3年春のリーグ戦は新型コロナウイルスの影響で開催中止。
秋季リーグでは右肘の炎症で未登板。
4年生春季リーグでは、大阪体育大戦で登板するも4失点で降板。
その後は右肘の故障により登板回避。
秋季リーグでは、初戦の天理大戦でリリーフ登板し、自己最速を更新する153km/hを記録し、1回無失点に抑える。
さらに大阪産業大戦では、初回に自己最速を更新する157km/hを記録し、14奪三振を奪った。
通算9試合、2勝2敗、44回、防御率3.07。
18春: 登板無し
18秋: 登板無し
19春: 3 0勝0敗 3 3 5 1 1 3.00
19秋: 5 2勝1敗 41 24 45 25 11 2.41(2位)
20春: 開催中止
20秋: 登板無し(右肘炎症)
21春: 1 0勝1敗 0 0 0 3 3 -
通算: 9 2勝2敗 44 27 50 29 15 3.07
被安打率5.52 奪三振率10.23 四死球率5.93
・怪我の状態は…?
投球フォームは、スリークオーターからやや腕を下げた形。
高校引退後は制球力改善と右肘への負担を考慮しサイドスローに。
大学2年春終わりに現在のスリークオーターに落ち着いたそうです。
また、コロナ禍で個人練習の時間が増え、ウエートトレーニングに真剣に取り組むようになり体が大きくなり、球威やボールのキレに良い影響が出ることになったそうです。
9月19日の大産大戦では、自己最速の157km/hをマーク。
平均球速は147、8km/h(150km/hとも)。
翁田投手は、自身の持ち味をストレートと答えており、球速を追い求めるというよりはボールのキレを意識して投げているそうです。
持ち球は、スライダー、カーブ、シンカー、フォーク。
翁田投手の自信のある変化球は指に挟むボール(フォーク)とのこと。
夏頃にはチェンジアップの習得に挑戦していました。
気がかりなのは、4年春まで9試合の登板しかなく、四死球率5.93と制球面に課題があること。
ストレートはまずまず制球出来ている印象ですが、変化球のバラツキが大きいでしょうか。
「投手として一番大事にしていることは?」という質問に「うまくいかないときほど顔や態度に出さない」ことを心掛けていると答えていました。
イライラする姿を見せるということは冷静になれていないということですし、ランナーがいる場合は牽制がおろそかになった結果走られたり、また腕を振る意識が低くなり更に打ち込まれたり、リズムが悪くなることで守備にも悪影響が出ることが考えられます。
まあ、雰囲気は悪くなりますし、相手に隙を与えるだけでいいことはありませんよね。
“大迫力”
ジャイアンツドラ1、大迫力のマウンド…#関西国際大学 #翁田大勢 pic.twitter.com/1eqefkqWpv— ichi_bb (@ichi_bb_photo) October 18, 2021
翁田投手についてちょっと心配な情報が…。
変則的な投げ方で肘に負担が大きいのか、過去に肘を怪我しているそうなんです。
大学3年秋は右肘炎症のため右肘痛で登板なしに終わっており、4年春には右肘の肘頭を疲労骨折しています。
肘に故障歴があることは大きなリスクになりますが、怪我に関しては7月の段階で「もう大丈夫です」とインタビューに答えており、実際に投げられない期間に下半身を鍛えフォームを見直したことで、自己最速を4キロも更新する157km/hを計測していますので問題ないと思われます。
・阪神ファンなのになぜ巨人…?
熱狂的巨人ファンの徳光和夫さんは、「このピッチャーはいいと思います。横から投げる人で155キロ以上投げるピッチャーはめったにいない。伸びしろもあります」と翁田投手に大きな期待を掛けているそうです。
そういえば、翁田投手は阪神ファンなんだそう。
そりゃ、関西出身なら阪神ファンが大多数だし普通では?とお思いでしょうが、実は翁田投手の家庭では普通のことではなかったんです。
関西生まれで、甲子園で黄色のジェット風船を飛ばすほどの阪神ファン。祖父、父が巨人ファンで母が中日ファンの中、猛虎魂を貫いてきた。違った立場で迎える未来の伝統の一戦へ「翁田だったら仕方ないと、声をかけてもらえるような選手になりたい」と思いをはせた。
出典 日刊スポーツ
翁田投手は、「(関西なのに家族が他ファンで)反発じゃないですけど、『自分は阪神ファンだ』と言ってました」と、複雑な心理で阪神ファンになった経緯を話しています。
・・・これからは猛虎魂からジャイアンツ愛に心変わりする必要がありますね。
おじいさんやお父さんだけで心許なければ徳光さんにも“教育”に加わってもらうといいかもしれません。
冗談はさておき、実はこれまでも阪神ファンでありながら巨人に入団した選手はいました。
坂本勇人選手、岡本和真選手、高橋優貴投手、阿部慎之助2軍監督、松井秀喜さんといった巨人を代表する選手やOBたちも実は心に猛虎魂を抱いていたのでした…。
かつては逆指名制度(希望入団枠制度)があり、球団と相思相愛の大学生・社会人の選手はその球団を指名して入団することが出来ましたが、現在は裏金問題が原因となり廃止されています。
ドラフトは戦力の均衡を目的としている側面もありますし、金払いの良い球団や人気の球団にだけ良い選手が集まるのは、あまりいい傾向ではありませんでした。
その分、現在はFA制度で希望する球団に移籍しやすくはなっていますが…。
ただ、最近はファンであった球団に移籍するということは少なくなっている気がします。
中日ドラゴンズの大野雄大投手は、子供の頃から大の阪神ファンで大学時代は自身の携帯電話にトラッキーのストラップをつけるほどだったことから、阪神にFAすることが既定路線のように語られていましたが、実際には「中日で優勝したい」とFA権を行使せず残留しています。
長く球団に所属することで特別な愛着が湧くんでしょうね。
まあ、(特に巨人は)十分な待遇を約束しているということもあるでしょう…。
翁田投手も巨人でプレーすれば、ジャイアンツ愛にすぐに目覚めるのではないでしょうか?
ドラ1翁田大勢がリリーフ希望を撤回! #菅野智之 以来となる新人10勝指令に「期待に応えたい」 https://t.co/rDcVAiXm9I #巨人 #ジャイアンツ #読売ジャイアンツ pic.twitter.com/4V5CGJKNR7
— スポーツ報知 巨人取材班 (@hochi_giants) October 13, 2021
巨人は翁田投手を先発型の即戦力として考えているそうで、原監督の起用方法からするとすぐに1軍で試すことになるでしょう。
翁田投手自身は中継ぎや抑えが向いていると考えているそうですが、肘に不安があるようなら先発の方がいいでしょうし起用法に問題はないと思われます。
ただ、世間の評価的には伸びしろのある素材型だといわれていますし、焦らずじっくりと育成していってもらいたいところです。
翁田大勢投手が大成することを期待しております!
最後までお読みいただきありがとうございます。