念願だったメジャー挑戦が決まり、今シーズンからニューヨーク・メッツでプレーする千賀滉大投手。
決め球の“お化けフォーク”で早くもメジャーを席巻していますよね。
今回は、高校時代の評価、育成選手からメジャーリーガーに上り詰めたのか、千賀滉大投手について様々な角度から迫ってみようと思います。
※2023年4月に記事を再編集しています。
・プロフィール
名前 千賀 滉大 (せんが こうだい)
生年月日 1993年1月30日
出身地 愛知県蒲郡市
身長/体重 186cm/92kg
血液型 A型
投打 右投左打
ポジション 投手
所属 愛知県立蒲郡高等学校 - 福岡ソフトバンクホークス - ニューヨーク・メッツ
2011年、愛知県の蒲郡高校から育成4位指名でソフトバンクに入団。
2年目の2012年に支配下登録されて1軍デビュー。
最速161キロの威力のあるストレートと落差の大きいフォークボールが持ち味で、2016年から5年連続で二桁勝利を挙げる。
2020年シーズンは、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振のタイトルを獲得。投手3冠を達成した。
野球日本代表(侍ジャパン)の一員として、2017年のWBCに出場。
リリーフを含め4試合に登板して1勝1敗、防御率0.82の成績を残し、優秀選手に選ばれた。
2021年に開催された「東京オリンピック」では決勝戦を含め、2試合に救援登板。
計3回を6奪三振無失点と好投し、侍ジャパンの金メダル獲得に貢献した。
・現在の年俸が安い…?
千賀滉大投手のことをグーグルで検索すると、「千賀滉大 年俸」と出てきます。
まあ、これは千賀投手に限らず、スポーツ選手の年俸や年収のことを知りたい人は多いようで、スポーツ選手の検索予測として年俸が表示されるのはよくあることです。
ただ、千賀投手の場合は、「千賀滉大 年俸」に続くワードとして「安い」が表示されるんです…。
日本球界を代表する投手で、球界屈指の資金力を持つソフトバンクの選手でありながら、千賀投手の年俸は本当に安いのでしょうか?
真相がどうなのか、2021年オフの契約更改の記事を見てみることにします。
ソフトバンク千賀 滉大投手(蒲郡高出身)が、国内FA権を行使せずに球団に残留することを決断し、5日の契約更改で来年は4億円から2億円プラスの年俸6億円、年俸変動制の5年契約でサインした(金額は推定)。
選手側から契約を見直したり、破棄することもできる「オプトアウト」付きの年俸変動制という。本来、メジャー移籍願望が強く、ポスティングシステムを利用した移籍を球団に要望していたが、球団は一貫して認めてこなかった。順調にいけば来年海外FA権を取得するが、その場合は5年契約が破棄できる。千賀、球団双方が歩み寄った契約となったようだ。
2021年は負傷離脱があったものの、13試合に登板し10勝3敗、防御率2.66の成績を残しました。
同年10月19日に国内FA権を取得しましたが、オフに権利を行使せずに残留を選択。
年俸4億円から2億円アップの年俸6億円でサインしました。
ソフトバンクとしてはポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦は認めておらず、その分メジャーにも負けない金額を提示する形をとっています。
秋山翔吾選手が西武時代に(活躍にしては)年俸が安いとファンからいわれ、本人もネタとして年俸が安いと番組などでお話していましたが、千賀投手の年俸6億円はNPBでは、田中将大投手(9億円)、柳田悠岐選手(6億2000万円)に次ぐ3番目の高年俸となっており、特に千賀投手の年俸が安いという印象はありません。
※2022年当時。
確かに千賀投手の育成1年目の年俸は270万円でしたが、それは育成選手なら普通の金額。
ただ、球界を代表する投手となった2022年の年俸は6億円にまで跳ね上がり、実に年俸は入団時から222倍超に。
まさに夢のある話ですが……メジャーと比べると安いと感じてしまうかもしれません。
千賀投手がメジャー志向であることは有名で、他球団ならもっと早くにポスティングシステムを利用してメジャー挑戦できていた可能性が高いと思われます。
※国内FA権を取得していた為、契約交渉で揉めることでFAされる可能性があることから。
野球ファンの中には「メジャーなら20億円は稼げる」と考える人も少なくなく、千賀投手の年俸が安いとSNSや掲示板に書き込む人もいるようで、年俸が安いとされる基準はメジャーと比べてだったようです。
ちなみに2021年オフ、千賀投手は選手自身が契約を見直したり、契約を破棄できる「オプトアウト」付きの年俸変動制5年契約を締結。
複数年契約を結ぶ場合、通常ならば海外FA権を行使できない、メジャー挑戦を諦めた感があるのですが、今回結んだ契約は千賀投手の意思次第で海外FA権を行使できる内容となっており、数年後にはメジャーで活躍する千賀投手の姿が見られるかもしれませんね。
・年俸推移
2023年 1400万ドル (約18億4000万円) ニューヨーク・メッツ
2022年 6億円 福岡ソフトバンクホークス
2021年 4億円 1福岡ソフトバンクホークス
2020年 3億円 福岡ソフトバンクホークス
2019年 1億6000万円 福岡ソフトバンクホークス
2018年 1億2500万円 福岡ソフトバンクホークス
2017年 6500万円 福岡ソフトバンクホークス
2016年 2500万円 福岡ソフトバンクホークス
2015年 2500万円 福岡ソフトバンクホークス
2014年 3300万円 福岡ソフトバンクホークス
2013年 650万円 福岡ソフトバンクホークス
2012年 440万円 福岡ソフトバンクホークス
2011年 270万円 福岡ソフトバンクホークス
・念願のメジャー挑戦♪
先程の項目では、数年後にメジャー挑戦するのではないかと予想していたのですが、2022年オフに海外FA権を行使。
代理人を務めるジョエル・ウルフさんは「大都市の強いチームに行くことを希望している」と話していましたが…。
複数の球団から獲得の意思が示されましたが、千賀投手が選んだのはニューヨーク・メッツでした。
ニューヨーク・メッツはナショナルリーグ東地区に所属し、2022年の成績は101勝61敗。
ワイルドカードシリーズではサンディエゴ・パドレスに1勝2敗と負け越し、敗退しています。
ニューヨーク・メッツが千賀投手に提示した契約内容は以下の通り。
総額7500万ドル(約98億5000万円)のうち、500万ドル(約6億5000万円)が契約金で、年俸は1400万ドル(約18億4000万円)。
毎年、サイ・ヤング賞を受賞するごとに200万ドル(約2億6000万円)、同賞の投票で5位までに入った場合は100万ドル(約1億3000万円)のプラス。
この他にも出来高払いがあり、最優秀救援投手賞を受賞すると10万ドル(約1300万円)、ワールドシリーズMVPで10万ドル(約1300万円)、オールスター出場、ゴールドグラブ賞、リーグ優勝決定戦MVPで各5万ドル(約650万円)が支払われる。
ちなみに凄いの金額だけではなく、細かな契約内容も詰め込まれていること。
オプトアウト(契約破棄)には条件があり、2023~25年で合計400イニング以上投げれば、25年オフに可能に。
また、5年契約終了後には、1500万ドルの球団オプション(球団側の契約延長権)がつき、千賀投手がオプトアウトせず、トミー・ジョン手術か右肘の故障で130日以上連続で負傷者リストに入った場合は行使できるとのこと。
さらに2025年まで全球団に対するトレード拒否権があり、その後は10球団に対する拒否権に変更。
本人の同意なしにマイナー降格はなく、契約満了時はFAとなります。
そして、4月3日のマーリンズ戦で5回1/3を投げ、3安打、1失点、8奪三振の好投で、メジャー初勝利を飾っています。
この試合で千賀投手はピッチフォークを持ったお化けの描かれたグラブを着用。
お化けフォークは『ゴーストフォーク』となり、メジャーの強打者を震え上がらせることになります。
・なぜ育成からスタート…?
今やメジャーリーガーとなった千賀投手ですが、なぜ、これほどの逸材が育成指名だったのでしょうか?
ドラフトの年に怪我や不調で評価を落とした有力選手が下位指名になることは珍しくないのですが、千賀投手に関してはまさにソフトバンクの“とっておき”、言い方を変えればプロのスカウトの目に留まることのない“無名の投手”でした。
当時、野球では特に強豪校とは呼ばれていない県立の蒲郡高校に進学し、投手へ転向。
1年夏から公式戦に登板していましたが、膝痛を抱えていたこともあり 2年秋と3年春は公式戦に登板なしに終わっています。
3年夏の県予選2回戦ではプロのスカウトが見守る中、愛知商業に7-5で勝利したものの、岡崎商業との3回戦に1-7で敗れて敗退。
この頃の評価は球速はそこそこあるものの、ノーコンであったとのこと。
このままなら、どこの球団からもリストアップされるはずのなかった千賀投手に運命のいたずらが…。
もともと中学生のシニアの監督をやっていた経験もあり、地域のアマ事情に精通した存在だった愛知県名古屋市でスポーツショップ「西正ベースボールショップ」を営む西川正二さんが、千賀投手の噂を聞きつけて実際に投球を見たところ、その才能に魅入られたんだとか。
こんな逸材を埋もれさせるのはもったいないと、知り合いだったスカウト関係者などに千賀投手の存在を知らせていたそうなんです。
楽天、ロッテのスカウトは千賀投手の投球を見て、プロでは通用しないと判断。
しかし、その頃から育成(3軍)に力を入れようとしていたソフトバンクの目に留まり育成ドラフトで4位指名。
この年の育成ドラフトでは、後の主力選手に成長した甲斐拓也捕手、牧原大成選手も指名。
ドラフト2位で指名された柳田悠岐選手を含めて、侍ジャパンのメンバーが4人も揃うドラフトはまさに“神ドラフト”と呼べるものだったでしょう。
この話題に関する野球ファンの反応はこちら…。
- 育成、しかも4位であれとかすごい
- 育成4位から日本を代表するエースになるって普通に考えたら凄い
- お前育成なら指名するぞって言われてもみんながみんな行く訳やないやろし、高卒の段階でそういう選択をして努力して今一軍で成功してる選手は褒められてもええやろ
- 漫画みたいな話
- 名が売れてない選手を見つけるのって大変なんやろね
- おっちゃんドラフト前に亡くなっとったんやな…
コメントにもあるように千賀投手の才能を見いだした“名スカウト”こと西川正二さんは、残念なことにドラフト直前の2010年10月16日に亡くなられています。
人生の最後に球界を代表する投手をプロに送り出すことができたことは、野球関係者として最高の人生の幕の下ろし方だったのかもしれませんね。
・お化けフォークとは…?
千賀投手の才能を見いだしたのは西川正二さんであり、ソフトバンクのスカウト・小川一夫さんですが、千賀投手の決め球である、“お化けフォーク”を授けたのは元中日ドラゴンズの吉見一起さんでした。
2012年1月、福岡県で合同自主トレに臨んでいた吉見さんは、当時18歳で育成選手だった千賀投手から
と頼まれたといいます。
WBCでダルビッシュ有投手が若手投手に変化球の握りやトレーニング方法を教えていることが話題になりましたが、それが当たり前というわけではないんです。
しかし、吉見さんは大事なトレーニング時間を割いて、千賀投手に「『落としたい』と意識しない」「軌道や回転でフォークと見破られないように」と丁寧に球を挟む角度や投球時の心持ちなどを伝授。
千賀投手は吉見さんから教わったフォークの投げ方に独自の工夫を重ねて落差の大きいフォークを完成させることに成功。
回転軸が進行方向と同一の「ジャイロ回転」のフォークは、上向きの力がなくなって落差が大きくなります。
これが千賀投手の“お化けフォーク”の正体なのですが、これを真似ることは難しく、千賀投手の唯一無二の武器といえるでしょう。
・結婚相手の嫁は誰…?
ここからは、千賀投手のプライベートについて迫ってみようと思います。
千賀投手は現在、ご結婚されているのでしょうか?
調べてみると、2015年12月14日に入籍を発表していました。
お相手は広島県出身の(学年では1つ下の)22歳の一般女性で、「優しい性格」で得意料理は「和食」なんだそうです。
千賀投手は奥さんことを「まゆぴ」と呼んでいるそうですが、本名は明かされておらず、顔写真もありませんでした。
交際期間は2年5カ月。
2014年から同棲を始め、1年後に結婚を決めたようです。
馴れ初めは詳しくは明かされていませんが、チームメイトの柳田悠岐選手の紹介で知り合ったといわれています。
そして、結婚から約1年後の2017年1月30日に第1子となる女の子が誕生。
現在は6歳と可愛くて仕方がない時期でしょうね。
メジャーでは、奥さんやお子さんを優勝パレードやイベントに招待することが多く、日本では顔出ししていなかった奥さんがカメラに映し出される様子を目にすることがあります。
いずれ、千賀投手は奥さんやお子さんをそのような場面で見掛けることがあるかもしれませんね。
最後までお読みいただきありがとうございます。