メジャー挑戦や王貞治さんの通算本塁打数868本を目指したいと口にするほど、プロ入り前は威勢が良かった清宮幸太郎選手。
しかし、最近は活躍よりもビッグボスこと新庄剛志監督から打撃の積極性や走塁面に対して、厳しい指摘を受けていることばかりニュースに取り上げられている印象です。
なぜ、ドラフトでは高校生最多となる7球団に1位指名されるほど、将来を嘱望されていた清宮選手がいまいちブレイクできていないのでしょうか?
今回は、清宮幸太郎選手が活躍できない理由などについて迫ってみようと思います。
・プロフィール
引用元 https://instagrammernews.com/
名前 清宮 幸太郎 (きよみや こうたろう)
生年月日 1999年5月25日
現年齢 23歳
出身地 東京都新宿区
身長/体重 184cm/98kg
血液型 O型
投打 右投左打
ポジション 一塁手 左翼手
所属 北海道日本ハムファイターズ
早稲田実業初等部4年時から「東京北砂リトル」で野球を始め、中等部1年夏に世界選手権に出場し世界一を経験。
その後、在籍した「調布シニア」で3年夏に全国優勝を経験。
早稲田実業高等部に進むと、1年春から3番・一塁に定着。
1年夏の甲子園では2本塁打を放つ活躍で、U-18W杯にも選出された。
3年春のセンバツは2回戦敗退、夏は西東京大会準優勝で甲子園出場を逃した。
高校通算111本塁打は史上最多記録。
2017年のドラフト会議では高校最多タイの7球団が競合したが、日本ハムが指名権を獲得して入団が決まった。
契約金1億円+出来高5000万円、年俸1500万円。
背番号21。
プロ通算148 安打、25本塁打、85打点、打率.201。
・現在までの年俸推移や成績は…?
清宮幸太郎選手の2022年の年俸は1700万円。
NHKは昨年末の契約更改をこう伝えました。
「日本ハム 清宮幸太郎 大幅減俸で契約更改 今季1軍で出場なし」
タイトルだけで清宮選手の昨年の成績や契約更改の内容がすべて分かりますが、それでは味気ありませんので、少しだけ掘り下げてみようと思います。
プロ入り4年目で初めて1軍の公式戦出場なしに終わった清宮選手。
2軍では106試合に出場し、打率.199、ホームラン19本(本塁打王)、60打点の成績を残しましたが、(年俸は1軍の最低年俸よりも上で)他の若手のように期待値だけで評価されることはなく、契約更改では500万円ダウンとなる年俸1700万円でサインしました。
・年俸推移
年度 | 年俸 | 球団 |
2022 | 1700万円 | 北海道日本ハムファイターズ |
2021 | 2200万円 | 北海道日本ハムファイターズ |
2020 | 2000万円 | 北海道日本ハムファイターズ |
2019 | 1800万円 | 北海道日本ハムファイターズ |
2018 | 1500万円 | 北海道日本ハムファイターズ |
ルーキーシーズン、清宮選手は右手のケガの影響や限局性腹膜炎で緊急入院するなど、アクシデントが続き開幕1軍入りを逃しましたが、5月2日に1軍デビューを飾り、プロ初ヒットを記録。
その後もデビューから連続試合安打記録を7に伸ばすなど、この年、53試合に出場し、打率.200、7本塁打、18打点を記録しました。
2019シーズンは、右有鈎骨骨折の影響で不本意なシーズンを送りましたが、最終的に81試合に出場し、打率.204、7本塁打、33打点を記録。
10月には前年から不安のあった右肘の手術を受けました。
2020シーズンは、プロ3年目で初めて開幕1軍入りを果たしました。
出場試合数は96試合を数え、キャリアハイを記録。
ただ打率は低迷し、打率.190、7本塁打、22打点でした。
2021シーズンは、イースタン・リーグで本塁打王を獲得しましたが、1軍の公式戦出場はありませんでした。
通算成績は、打率.201、25本塁打、85打点と、清宮選手自身も納得できる成績ではないと思いますし、ポテンシャルからすれば、1年でこのくらいのホームランと打点を残してくれるのではないかと思います。
・1軍成績
年度 | チーム名 | 打率 | 試合 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 三振 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 得点圏 | 失策 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | 日本ハム | .200 | 53 | 160 | 32 | 7 | 18 | 60 | .283 | .381 | .665 | .172 | 0 |
2019 | 日本ハム | .204 | 81 | 250 | 51 | 7 | 33 | 75 | .270 | .340 | .610 | .224 | 4 |
2020 | 日本ハム | .190 | 96 | 226 | 43 | 7 | 22 | 59 | .300 | .323 | .623 | .143 | 7 |
2022 | 日本ハム | .216 | 41 | 102 | 22 | 4 | 12 | 37 | .328 | .441 | .769 | .219 | 2 |
通算成績 | .201 | 271 | 738 | 148 | 25 | 85 | 231 | .290 | .358 | .648 | .187 | 13 |
※2022年は5月26日現在の成績
現在の年俸が気になる有名人は…?
・なぜ打てない…?
2022年5月26日、交流戦3戦目となるヤクルト戦のスタメンに清宮幸太郎選手の名前はありませんでした…。
新庄剛志監督はその理由を「昨日のミス。本人にも分からせて、チームメートにも分からせて、引き締めようと。この悔しさを、もっともっと集中力を持って」と話すように、清宮選手への“愛のムチ”という意味合いでスタメンから外したようです。
前日の試合で走塁ミス(2点リードの9回表、1アウト1、3塁の場面でダブルスチールを仕掛けたものの、3塁走者の清宮選手のスタートが遅れて本塁でアウト)をした清宮選手は懲罰交代され、試合もサヨナラ負けを喫しています。
試合後には「あんなミスしてたら一生、上に上がっていけないよね」と、新庄監督は清宮選手に対し怒りを抑えることが出来ないまま取材陣のインタビューに応えていました。
清宮選手にかける期待感からか、新庄監督による“愛のムチ”が最近は目立っている印象ですが、走塁面に限らず打撃面でも打率2割そこそこで、ホームランは4本と首脳陣やファンから期待される成績を残せていません。
野球ファンは清宮選手の現状をどのように感じているのでしょうか?
- 清宮はガチで楽しみだったんだが本当に残念な状況になってしまった
- ハムや中日で大砲が育たないのはやっぱ球場のせいなのか
- たいていの強打者と違ってフォロースルー時に後ろに重心残してる
- スポーツの種類問わず身体の生育が早かっただけの早熟って一定数いる
- なんだかんだ一年目は下で打ってるしハズレだったわけではない
- 守備走塁がまともならまだ伸び代あるけどな 高校の時点でファースト専で打つだけ
- 打撃に目をつぶったとしても守備がなあ
- せめて守備練習ぐらいちゃんとやれ
- 年齢こそ若いけど身体はもうベテラン並みにボロボロだろ
- 有鈎骨折る → 治りかけで試合に出される → フォーム崩れる → 誰も治さないし清宮も人の話聞かない →今に至る
- 無理させたのが大きな原因
清宮選手が伸び悩む原因として、有鈎骨骨折の影響、早熟だった、打撃フォームの問題、球場の広さなど様々なことが関係しているのではないかと推測されていますが、私は有鈎骨を骨折したことが大きいのではないかと考えます。
これは、清宮選手が怪我をした当時も話題になったのですが、有鉤(ゆうこう)骨骨折はプロ野球選手にとって命取りとされ、巨人・原監督は、有鈎骨骨折によって現役中は手首の違和感が消えることがなく、「事実上、バッター原辰徳は、この骨折の時に終わりました」と引退の原因となったことを明かしていました。
清宮選手は更に2019年7月に右肘炎症を起こし、10月には右肘の関節形成手術を行っているように怪我が多い選手という印象があります。
知らず知らずのうちに怪我の影響でフォームが崩れ、修正が難しい状況になっているのかもしれません。
ただ、完璧なホームランを今シーズンも放っていることから、何かきっかけがあれば手が付けらない“怪物”に変貌する可能性も十分あるように感じます。
※5月28日の試合でも2打席連続のホームランを放ちました。
それではプロの目で見て、今の清宮選手には何が足りないのでしょうか?
球界のご意見番こと張本勲さんによると…。
「清宮は打席に入ったとき、右足を引いて構えています。左打者はステップしたとき、左足の親指より右足の親指を前に出して踏み込みます。ところが、彼の場合は逆なんです。左足が右足より前に出ているので、斜めに構えたフォームになっています。これだと、アウトコースに来た鋭い球を、しっかりスイングすることができません。腰が開いてしまうので、力強い回転もできないんです」
出典 デイリー新潮
平成唯一の三冠王・松中信彦さんによると…。
松中さんはこの試合の内容について「打てるポイントが一つしかない。上体(だけ)でまったく下半身が使えていない。特に左の軸足ですよね。ここはしっかり直していかないと」と指摘。
続けて「左の膝がすぐ外回りするのでバットがドアスイングになりやすい。体重移動をもっとすると(空振りした)フォークボールはバットに当たるのでファールになってもう一度チャンスがくるけど、(今のスイングは)まったく体重移動がしていないのでその場で回ってしまっている。これは直さなければいけないと思います」と、修正点について言及した。
出典 BASEBALL KING
張本さんの指摘は2020年で、松中さんの指摘は2022年でありながら、清宮選手の問題点は体の開きと同じことを指摘されています。
また、落合博満さんは、技術云々の前に清宮選手は「練習量が足りない」と指摘しており、「自分に合った練習方法や練習量を見つけられていない」「練習を積むにしても正しいやり方、自分に合った練習方法を習得しなければ成果が出ない」とアドバイスされています。
清宮選手からすれば、その練習方法を教えてほしいところでしょうが、落合さんとの対談後に成績を落とした打者もいるだけに、必ずしも○○が正解というものはなく、とにかく自分の合う練習方法を見つけることが大事なんでしょう。
正解がないことだからこそ、求道者のように野球に真摯に取り組む・・・それしかないのかもしれませんね。
・戦力外の可能性も…?
今回、清宮選手について色々調べるにあたって驚いたのが、「清宮幸太郎」とグーグルで検索すると、一番最初に「清宮幸太郎 引退理由」と出てくるんです。
世の中では、清宮選手はすでに引退していると思われているのでしょうか?
さすがに(今後の付き合いを考え)早稲田実業出身でドラフト1位。
まだ20代前半の清宮選手を戦力外にするには早すぎますよね。
ただ、ノンテンダーFAという名の実質的な戦力外で主力を放出した日本ハムですし、絶対はないのかもしれません。
清宮選手のオフの騒動を目の当たりにし、「球団からは、この1年は成長のためにあげた1年だと言われた。ホームラン30本くらいのハードルを想像してやっていかないと、この世界では生き残れないと思う」と契約更改の場で話すなど、危機感を抱いているようでした。
引用元 https://instagrammernews.com/
オフに新庄監督からスイングや動きにキレを出すために減量することを提案された清宮選手は、1月ほどで5㎏減量に成功し、さらに合計9㎏痩せたことが話題になりました。
並々ならぬ意気込みで臨んだシーズンなだけに“覚醒”を期待したいところですが、まずは新庄監督から認められるようにミスを少なくしていくことが大事ではないでしょうか?
急がば回れ、きっとその先に大打者となった未来があるはず…。
最後までお読みいただきありがとうございます。