2021年プロ野球ドラフト会議でドラフト1位で巨人に指名された関西国際大学の翁田大勢投手。
巨人は翁田大勢投手を即戦力として期待しているそうですが、シーズン終盤に優勝争いから脱落すると大失速してしまい、来季の即戦力とは言わず、すぐにでも翁田大勢投手を起用したいところでしょう。
・・・ということで、今回は翁田大勢投手について調べてみました。
※2023年の情報を加え、再投稿しています。
・プロフィール
名前 翁田 大勢 (おうた たいせい)
生年月日 1999年6月29日
出身地 兵庫県多可町
身長/体重 181cm/88kg
投打 右投右打
ポジション 投手
所属 八千代北少年野球クラブ(八千代市立八千代北小学校) → 氷上ボーイズ(八千代中学校)→ 西脇工業高校 → 関西国際大 → 読売巨人軍
八千代北小学校1年から軟式野球を始め、八千代中時代は氷上ボーイズに所属し遊撃手としてプレー。
中学卒業後は姉と兄が通っていた西脇工業高校に進学。
西脇工業では1年生春からベンチ入りし、夏の選手権予選では4番を任される。
2年秋からエースに。
3年生春季大会の報徳戦では6球団のスカウトが視察する中、145km/hを記録。
甲子園出場経験はなし。
その年のドラフトでプロ志望届を提出も指名漏れした。
関西国際大では2年春からリーグ戦に出場。
3年春は新型コロナウイルスの流行によりリーグ戦の中止。
右肘痛で登板機会なし。
4年春も右肘疲労骨折の影響で登板はわずか1試合のみ。
秋季リーグの天理大戦では自己最速を更新する153km/hを記録。
さらに大阪産業大戦では、初回に自己最速を更新する157km/hを記録した。
遠投110m、50m6秒3。
兄・勝基さんは西脇工業が甲子園初出場を果たした2013年夏のエース。
高校卒業後は愛知大学に進学。
姉・あかりさんは陸上3000メートルの岡山県記録を持ち天満屋に所属していた。
・高校や大学の通算成績は…?
高校時代の成績
西脇工業では1年生春からベンチ入り。
兵庫県大会の全2試合で4番・ファーストとしてスタメン出場し、6打数3安打の活躍。
2年生夏の予選には4番レフトとして臨み、打率.357、2打点の活躍で4回戦まで進出した。
2年生秋の新チームから背番号1を任されたが、登板機会が無く2回戦で敗退。
3年春の1回戦・東洋大姫路戦で、8回コールド4安打完封の好投。
プロ6球団スカウトが視察した2回戦の報徳戦では最速145km/hを計測するも現広島の小園海斗選手から2安打されるなど7失点を喫した。
3年生夏の県大会は育英高校に0-2で敗れ5回戦で敗退。
スリークォーター気味のフォームから140km/h台とスライダーのコンビネーションで勝負する姿勢は兄・勝基さんとそっくりと評されました。
大学時代の成績
関西国際大では2年生の春からリーグ戦に出場。
2年秋のリーグ戦では先発2番手として、2勝1敗、防御率2.41を記録。
3年春のリーグ戦は新型コロナウイルスの影響で開催中止。
秋季リーグでは右肘の炎症で未登板。
4年生春季リーグでは、大阪体育大戦で登板するも4失点で降板。
その後は右肘の故障により登板回避。
秋季リーグでは、初戦の天理大戦でリリーフ登板し、自己最速を更新する153km/hを記録し、1回無失点に抑える。
さらに大阪産業大戦では、初回に自己最速を更新する157km/hを記録し、14奪三振を奪った。
通算9試合、2勝2敗、44回、防御率3.07。
・怪我の状態は…?
投球フォームは、スリークオーターからやや腕を下げた形。
大学に入る前に制球力改善と右肘への負担を考慮しサイドスローに。
大学2年春終わりに現在のスリークオーターに落ち着いたそうです。
また、コロナ禍で個人練習の時間が増え、ウエートトレーニングに真剣に取り組むようになったことで体を大きくし、球威やボールのキレに良い影響が出ているんだとか。
9月19日の大産大戦では、自己最速の157km/hをマーク。
平均球速は147、8km/h(150km/hとも)。
大勢投手は、自身の持ち味をストレートと答えており、球速を追い求めるというよりはボールのキレを意識して投げているそうです。
持ち球は、スライダー、カーブ、シンカー、フォーク。
大勢投手の自信のある変化球は指に挟むボール(フォーク)とのこと。
夏頃にはチェンジアップの習得に挑戦していました。
気がかりなのは、4年春まで9試合の登板しかなく、四死球率5.93と制球面に課題があること。
ストレートはまずまず制球出来ている印象ですが、変化球にバラツキが大きいでしょうか。
「投手として一番大事にしていることは?」という質問に対し
ことを心掛けていると答えていました。
イライラした態度を見せるとチームの雰囲気は悪くなりますし、相手に隙を与えるだけでいいことはありませんよね。
巨人でルーキーながらクローザーとして成功した理由として、精神面のコントロールやポーカーフェイスでいることも関係しているのかもしれません。
大勢投手についてちょっと心配な情報が…。
変則的な投げ方で肘に負担がかかるのか、過去に肘を怪我しているそうなんです。
大学3年秋は右肘炎症のため右肘痛で登板なしに終わっており、4年春には右肘の肘頭を疲労骨折。
肘に故障歴があることは投手として大きなリスクになりますが、怪我に関しては7月の段階で「もう大丈夫です」とインタビューに答えているようで、実際にプロ入り後には問題視されていません。
投げられない時期は下半身を鍛えることに集中し、フォームを見直したことで、自己最速を4キロも更新する157km/hを計測。
自分の武器がなんであるか分析できる期間でもあったようで、パワーアップして復帰できたことでプロ入りに大きく前進しました。
・阪神ファンなのになぜ巨人…?
徳光和夫さんは、ドラフト直後に
と、大勢投手に大きな期待を掛けていることを明言。
“熱狂的巨人ファン”の徳光和夫さんならではのリップサービスかと思いましたが、大勢投手が結果を残したことで、徳光和夫さんの慧眼が証明された形になります。
そういえば、大勢投手は阪神ファンなんだそうです。
関西出身なら阪神ファンが大多数だし普通では?とお思いかもしれませんが、実は大勢投手の家庭では普通のことではなかったんです。
大勢投手自身は甲子園で黄色のジェット風船を飛ばすほどの阪神ファン。
祖父、父親は巨人ファン。
母親は中日ファンなんだそうです。
・・・見事にバラバラですね笑。
大勢投手は、
と、阪神ファンになった経緯を話しています。
さすがに巨人に入団したことで、これからは猛虎魂からジャイアンツ愛に変わる必要がありそうです。
おじいさんやお父さんだけで心許なければ徳光さんにもジャイアンツ愛を叩き込む“教育”を行ってもらわないといけませんね笑。
冗談はさておき、実はこれまでも阪神ファンでありながら巨人に入団した選手はいたんです。
坂本勇人選手、岡本和真選手、高橋優貴投手、阿部慎之助2軍監督、松井秀喜さんといった巨人を代表する選手やOBたちも実は心に猛虎魂を抱いていたのでした…。
かつては逆指名制度(希望入団枠制度)があり、球団と相思相愛の大学生・社会人の選手はその球団を指名して入団することが出来ましたが、現在は裏金問題が原因となり廃止されています。
ドラフトは戦力の均衡を目的としている側面もありますし、金払いの良い球団や人気の球団にだけ良い選手が集まるのは、あまりいい傾向ではありませんでした。
その分、現在はFA制度で希望する球団に移籍しやすくはなっていますが…。
ただ、最近は素人時代にファンであった球団に移籍するということは少なくなっている気がします。
中日ドラゴンズの大野雄大投手は、子供の頃から大の阪神ファンで大学時代は自身の携帯電話にトラッキーのストラップをつけるほどだったことから、阪神にFAすることが既定路線のように語られていましたが、実際には「中日で優勝したい」とFA権を行使せず残留しています。
長く球団に所属することで特別な愛着が湧くんでしょうね。
まあ、(特に巨人は)十分な待遇を約束しているということもあるでしょう…。
大勢投手も巨人でプレーすれば、ジャイアンツ愛にすぐに目覚めるのではないでしょうか?
ちなみに巨人は大勢投手を先発型の即戦力として考えているそうで、原監督の起用方法からするとすぐに1軍で試すことになるのではないでしょうか?
大勢投手自身は中継ぎや抑えが向いていると考えているそうですが、肘に不安があるようなら先発の方がいいでしょうし、起用法に問題はないと思われます。
ただ、世間の評価的には伸びしろのある素材型だといわれていますし、焦らずじっくりと育成していってもらいたいところです。
・不動のクローザーに…?
※ここから新しい情報。
2022年、巨人初となる名前のみの「大勢」を登録名に。
オープン戦で7試合に登板し、防御率1.29を記録。
開幕からクローザーに抜擢され、57登板で1勝3敗、防御率2.05の成績を残しました。
37セーブは新人歴代最多記録に並ぶ快挙で、セ・リーグ最優秀新人選手賞(新人王)を受賞。
オフには4100万円アップの年俸5700万円でサインしています。
巨人の選手が2年目で年俸5000万円を超えるのは2000年の上原浩治さん(6600万円)、2012年の沢村拓一投手(5200万円)、2014年の菅野智之投手(7000万円)に次いで4人目。
・・・いま振り返ると、原監督は先発として大勢投手を起用することなく、抑えとして起用して大成功でしたね。
プロ入り前は某掲示板でプロで通用しない、故障するなど散々な言われようでしたが、結果で黙らせました。
そして、2023年1月26日にWBCに出場する野球日本代表(侍ジャパン)のメンバーに選出。
3月3日の中日との壮行試合では、大勢投手は9回に登板。
2-7と中日に負けている場面での登板でしたが、ビシエド選手、アキーノ選手、高橋周平選手といった主力を見事に抑えています。
WBC本選でもクローザーを務めるのかは3月5日現在で不明ですが、きっと大勢投手はどんな役割であっても責任を果たしてくれるはず。
実は大谷翔平選手らに比べ、自身の名前が呼ばれた時に観客からの声援が小さかったことを気にしているという大勢投手。
いつか、メジャーで活躍する選手以上に歓声を浴びるスター選手へと成長してくれることを楽しみにしたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。